歯周病のメカニズムの基礎知識とその治療法

《健康歯列矯正=矯正咬合医療、非抜歯矯正》

歯並びが悪くなる原因?

大半は乳幼児~学童期の歯列の成長不良です。
例えば母乳が1年未満、離乳食、ストローの使用、食べ物の小さく切り分け、食事中のテレビなど、どれをとっても歯列の成長が不足する原因となります。 その他には指しゃぶりや唇をかむなどの不良習癖、永久歯の数の不足、骨格の遺伝などがあります。一見、歯並びの見た目には問題が無さそうでも、かみ合わせが全く合っていないことも多くみられます。
現代は唇、歯、舌を一生懸命使う機会が少ないうえ、母親は忙しく、おばあちゃんは役割不足、父親は興味なしのため、年々お子さん方の歯並びは悪化しています。
決して自然現象でも遺伝でも個性でもありません。

歯並びが悪いと何がいけない?

・歯を磨いた後も汚れが残りやすいので、むし歯と歯周病のリスクが大
・歯列の発育が不足しているので、脳と体の成長にも悪影響がある。
・同時に顎が歪んだり、かみ合わせも悪くなることが多いので、不定愁訴の発生
(不定愁訴:頭痛、腰痛、うつ傾向、顎関節症、顔のゆがみなど体と心の不調)
・審美的な問題(今は進学や就職の面接時の選考項目にもなっています)
・本当なら100年以上もつべき歯が、早くに抜けて無くなる原因となります。
・前歯を使っていないと鼻腔が狭くなり鼻呼吸がしづらかったり、脳の前頭葉が刺激されないので将来、認知症のリスクが高くなります。

健康歯列矯正とは?

過去から現代においても、ほとんどで行われているのが見た目だけを改善する審美矯正です。
そのためには永久歯の抜歯をすることがあったり、歯を強い力で動かすため治療中は痛くて噛めない、あるいはかみ合わせは重視されていないので体と心の不調は改善されず、場合によっては新たに不調が発生することもあります。
「健康歯列矯正」は文字どおり健康で長生きできるために、人間の持つべき本来の口腔の状況に近づけながら歯並びを整える矯正法です。
大阪大学歯学部名誉教授、丸山剛朗先生の臨床生理咬合に基づく咬合(顎)是正治療を基礎として、矯正専門医である戸栗和慶先生が矯正咬合医療として矯正治療に応用した画期的な治療法です。
特徴を以下に記します。

・基本的には問題になる親知らず以外の抜歯は行いません。(非抜歯)
・顎ずれの修正をしながらの矯正なので、既にある体やこころの不定愁訴は早期に改善します。
・自然な歯並び育成のため、様々な口腔の機能を回復する訓練も同時に行います。
・痛みは少ないので食べることに制限は無く、逆に今までよりよく噛んでもらいます。

矯正治療は高額なのでは?

矯正治療は保険適応外ですので、すべてが自由診療です。
従来の矯正より使用する装置や材料は多くなり、10種以上の口腔の訓練も行いますが、終了までの総額は従来の矯正料金と変わりません。治療期間が3~4年になるので、分割でのお支払いも可能です。
残念ながら日本人は、自分と家族の健康よりも優先することが多々あるのが現状です。ある偉い先生の受け織ですが、「病気はとりあえず保険証を持参して診てもらうもの、健康は努力や金銭で獲得するもの」だそうです。

治療の流れ

治療画像 ①各種術前診査、歯の術前の処置

②KTA(顎のゆがみを改善しながらの歯列拡大装置)付拡大装置にて歯列弓の拡大
(自分で着脱可能1年~2年間)
口腔筋機能訓練の開始(終了まで随時)

③必要な拡大後すべての歯にブラケットとワイヤーの装着
(着脱不可1年半~3年間)

④リテーナーの作成、ブラケット除去
定期的なリコール

標準的な費用

(すべて税別)


矯正基本料金 60万円
術前検査代
KTAまたは拡大プレート 上下合わせて5枚まで
金属ブラケット
金属色ワイヤー
リテーナー 以上を含む
口腔機能訓練代および矯正調整料金  2千円/月
(終了時まで必須)
追加KTAまたは拡大プレート 3万円/1個につき
(歯列の乱れが大きい場合、誤った使用法による再製、紛失等の場合等に必要)
セラミックブラケット代 10万円
(見た目がきれい:任意)
※終了時の平均的な合計金額は80~90万円になります

リスクと副作用

  • 成長の足りなかった歯列の拡大と口腔機能の回復で、その人の健康的な本来の歯並びとかみ合わせを取り戻す矯正法です。半分が自己努力によるものなので、それにより終了までの期間や仕上がり具合、総費用に差が出ることがあります。
  • 歯の動的治療には必ず後戻りが生じます。それをできるだけ防ぐために、治療中の指示や終了後の注意事項には必ず従ってください。ちなみに、治療終了後は数年間の保定が必要です。
  • 矯正治療中は毎日のようにかみ合わせが変化しますので、一時的に体や心の症状が再発することがあります